2025/5/4

練習とは!? その沼

”ピアノの練習”と、ひと言で言っても、その過程には色々な要素が含まれます。
どれもが密接に絡まりあって切り離せないのですが、それでも、自分が今、何をやっているのかを意識するのは、到達目標を明確にし、練習効果をUPするのに役立つのではないかと思うのです。
自分が曲に取り組む時や、生徒さんとレッスンしている時に考えていたことを、頑張って文章にしてみようか思い立ちました。
キーワードは S、L、T、P です。
 
◇ study ・・・勉強する 研究する 観察する 調査する
・楽譜に書いてある音の高さ、リズム、調性、テンポ、強弱記号、表情記号‥等々の楽譜の読み取り
・指使いをどうしたら弾きやすいだろう?等、奏法の研究
・作曲家の時代背景、人柄、人生、その曲の生まれた背景。この曲を作った人は、どう演奏して欲しいと思っているだろうか?
・他の人はどう演奏しているのか?自分はどう弾きたいのか?
等々、いま目の前にある楽譜や作曲家と向き合います。  
 
◇ learn・・・学ぶ 習得する 覚える 知る 悟る 身に着ける
・調性や和音進行、記号や楽語など楽典の基礎知識
・こういうパターンの時にはこの指使い、等の奏法の土台
・この作曲家ならこの時代、こんなスタイル、という音楽史の知識
等々、studyしたことをいつでも取り出せるように自分の中に蓄積します。
多ければ多いほど良いですよね。知識と技術と感性の財産を増やします。
 
◇ train(ing)・・・訓練 練習 鍛錬
・自分の思い描いたことが難なくできるように、思い通りに動く身体を作る
・抵抗なく楽譜を読めるように、経験を積む
・苦手箇所の和音進行、指使い等を繰り返すことによって頭と身体に刷り込む
かつて、「ピアノの練習」というと大半がこの分野だった時代がありました。
目的を明確に持つことで、なるべく短時間に効率よくトレーニングしたいものです。 
 
◇ play・・・遊ぶ 演じる 演奏する 再生する 
study も learn も traininng も、この play のためにあります。また、study しながら、learn しながら、training  している時も、play の気持ちでいることが理想だと思っています。
Studyで得た、その曲の持つドラマ、情景、幸福感や憧れ、嘆きや呟き、慟哭、哲学、風刺や洒落・・・、それを自分の持てる技術の精一杯で表現する。
その喜びのためにstudyしlearnしtrainningするのです。
ちなみに、”精一杯”というところが肝心です。
スポーツでもゲームでも、”精一杯”、”本気(マジ)” になるからこそ楽しい!ですよね?
studyとlearnとtraininngの集大成として、「こう弾きたい!」を精一杯やってみる。
これがね。日常とかけ離れたこの一瞬。
これは、やったことのある人にしか解らない快楽だと思いますw
そして、真剣に取り組めば取り組むほど、「満足!」とはなりません。
「ちっ!あそこのミスさえなければ」とか「あ”~やっちまった~!」とか
「何をどう弾いたか覚えてない・・・」(そういう時の方が良い演奏だったりする)
等々、殆どの場合、苦痛が伴うのです。
だ か ら 沼るのです....www